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ウッズのメジャー連覇に暗雲が漂う。
心身ともに蓄積した疲労の影響は? 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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posted2019/05/17 14:00

ウッズのメジャー連覇に暗雲が漂う。心身ともに蓄積した疲労の影響は?<Number Web> photograph by AFLO

タイガー・ウッズの史上最大のカムバックは始まったばかりだ。初日でトップと9打差、奇跡は起きるのか。

マスターズの激戦の疲労が残っている?

 そして、もう1つ。ウッズのメンタル面を揺らしたと思われるものは、ウッズ自身の極度の疲労、疲弊である可能性も高い。

「今週はスタミナの勝負になる。4日間のタフな戦いは、心身のすべてを消耗させる」

 開幕前のウッズのこの言葉は、全米プロの4日間を見据えたものであったと同時に、勝利を挙げた4月のマスターズを振り返ったものでもあったと私には感じられた。

 オーガスタナショナルで11年ぶりのメジャー優勝、14年ぶりのマスターズ優勝を果たした4日間で、ウッズの心身は消耗し切り、ヘトヘトになってしまったのだと思う。

 だからこそ、出場する予定だった5月上旬の大会(ウエルスファーゴ選手権)を欠場し、結果的に全米プロはマスターズ以来の試合出場となってしまった。

 そして、心身の疲れがまだ解消されていないからこそ、開幕前の練習量を最小限に抑えざるを得なかったのだろう。

世界1199位から舞い戻った男だからこそ。

 べスページはウッズが2002年全米オープンを制し、2009年大会でも6位タイになった場所であり、彼が好きなコースの1つではある。大会前週に下見も済ませていた。

 多少の疲れが残っているとしても、気力と経験値でなんとか乗り切ろうとしていたのだと思うが、その限界点を超えるほど、ウッズの心身は消耗しているのかもしれない。

 首位から9打差と出遅れた初日。ウッズのメジャー16勝目は大きく遠のいたと言わざるを得ない。

 だが、まだ終わりではない。世界ランキング1199位からメジャーチャンプへ這い上がったことを思えば、残る3日間での挽回は、ウッズなら不可能ではない。

「頑張れ、タイガー!」

 世界中のファンが、ウッズへのエールを送り、巻き返しを祈っている。

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タイガー・ウッズ

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