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ウッズのメジャー連覇に暗雲が漂う。
心身ともに蓄積した疲労の影響は?
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byAFLO
posted2019/05/17 14:00
タイガー・ウッズの史上最大のカムバックは始まったばかりだ。初日でトップと9打差、奇跡は起きるのか。
体調不良をエクスキューズにしないプライド。
しかし、「リフレッシュした」「いい感じ」と口を揃えていたにも関わらず、月曜日は9ホールしか回らなかった。
当初から予定されていた会見に臨んだ火曜日は、練習ラウンドはせず、練習場と練習グリーンとその近辺だけで過ごすに留まった。
そして開幕前日の水曜日は、コースに姿さえ見せなかった。
そうなると、「何か、あったのだろうか?」「一体、何が、あったのだろうか?」という疑問が浮上する。米メディアに詰め寄られたウッズのマネージャー、マーク・スタインバーグ氏は「(水曜日は)単に休養を取っただけのこと」で、それ以上でも以下でもないと答えていた。
51位タイと出遅れた初日のラウンド後、ウッズは「(水曜日は)少し体調が悪かったので、休むことにした」と明かしたが、体調不良を初日の惨状のエクスキューズにしなかったところは、昔からのウッズのプライドであり、せめてもの意地だった。
「でも(今日は)体調はいいと感じていた」
初日のゴルフの不調が、ウッズが言った通り、1カ月のオフによる感覚の鈍りではなく、傷病のせいでもないとすれば、残る原因は、ただ1つ。メンタル面の乱れ以外には考えられない。
飛び込んできた、驚きのニュース。
それならば、一体、何が、ウッズのメンタル面を揺らしたのだろう。
驚きのニュースが飛び込んだのは、べスページにやってきたウッズが「大丈夫。準備万端だ」と語ったそのあとだった。
ウッズが経営するレストラン「ザ・ウッズ」のバーテンダーだった24歳の男性が昨年12月に泥酔状態でハンドルを握り、帰宅途上に事故死した。その男性の両親がウッズや彼のレストランのマネージャーであるウッズの恋人エリカ・ハーマンの責任を問う訴訟を、全米プロが始まろうとしていた5月13日の月曜日に起こしたのだ。
火曜日の会見で訴訟について問われたウッズは「とても悲しい。とても気の毒に思う」と短くコメントした。
大会側も米メディアも、全米プロの会場においては、あくまでも試合は試合、訴訟は訴訟という具合に切り離して捉えることが通例であり、そうすべきであろう。
しかし、ウッズ本人の胸の中では、そんなふうに切り離せるものなのかどうか。火曜日に練習ラウンドをせず、水曜日に会場に姿を現わさなかったこと、そして今日の初日のゴルフが大きく乱れたことは、この訴訟が起こったことと無関係ではないだろう。