ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
ベイスターズ大型連敗とブルペン。
木塚コーチが語った「誤差」とは。
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKyodo News
posted2019/04/27 08:00
2017年に62試合、18年に70試合登板とフル回転した砂田。
砂田は「言い訳にしたくない」。
そんなブルペンの状況を憂う姿にいたたまれなくなり「苦しいですよね……」と声をかけると、木塚コーチは表情を変え毅然とした態度で次のように答えた。
「毎日、苦しいですよ。ただ僕が下を向いてはいけない。選手たちはもっと苦しいし、一緒になって戦ってあげなければいけないんです。打開策を見つけること、背中を押してやること。
僕自身、いろいろな経験をしてきたし、1アウトも取れずにマウンドを降りたこともあります。彼らの悔しさは十二分にわかってあげられていると思うので、ブルペン一丸でこの状況を乗り越えていきたいですね」
一方、砂田に登板過多について尋ねると「その影響はあると思います」と吐露し、次のようにつづけた。
「ただ、それを言い訳にしたくはないし、乗り越えられるものだとは思っています。ここは弱気にならずしっかり対処していきたい」
「最強のリリーバーを目指したい」
登板過多により深く沈殿した疲労との戦い。砂田は体の状態を正直に話してくれた。
「どうしても疲労を落とす方を強く意識してしまって、体を動かしきれない部分があるんです。ゆえに100の力を出せなくなっているのが今の状況なのかもしれません。そのあたりも含めひとつひとつファームで見つめ直し、またチームの勝利に貢献したい」
チームが浮上するためには、リリーバーとしてどんな場面であっても存在感を示してきた砂田の存在は必要不可欠だ。
じつは砂田は昨年の秋、先発への再転向を打診されている。ただ首脳陣からの正式な転向要請ではなく木塚コーチから「中継ぎのままでいいのか?」と、声を掛けられたのだという。だが砂田は、中継ぎ一本に心血を注ぐことを決断している。
「僕自身、先発に未練がないわけではありませんが、中継ぎとしてやりきっていない部分がある。役割としても好きですし、この中で自分の道を切り拓いて行きたいという気持ちが強いんですよ。昨年70試合投げたとしても、文句のない成績なのかといえばそういうわけではない。変な話、便利屋でも構わないから球界で一番と言われるような最強のリリーバーを目指したい」