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『鴨川ホルモー』
“ホルモー”はスポーツといえるのか?
新たな視点でベストセラーを再読。 

text by

行成薫

行成薫Kaoru Yukinari

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posted2019/04/10 07:30

『鴨川ホルモー』“ホルモー”はスポーツといえるのか?新たな視点でベストセラーを再読。<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

万城目学著 角川文庫 560円+税

「古くからあるスポーツ」と「新しいスポーツ」と聞いて何を想像するだろうか。筆者は相撲とeスポーツを連想したのだが、いずれも「スポーツなの?」と思う人もいるだろう。神事をルーツとする大相撲は伝統文化の意味合いが強い競技だし、eスポーツにいたってはIOC会長が「オリンピック競技として認めない」と言ったくらいである。

 さて、本書『鴨川ホルモー』は、そんな「古き」と「新しき」が共存した「ホルモー」なる(十中八、九架空の)競技を題材とする「青春スポーツ小説」である。などと言ってしまうと首を傾げる人もいるだろうか。本書は映画化やコミカライズもされているベストセラーであり、すでに手に取られている読者も多いはずだが、青春スポーツ小説という認識で読んだ方は少ないかもしれない。

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