球道雑記BACK NUMBER
北大医学部のち、独立リーグ人生。
新潟・三木田龍元はプロを諦めない。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byRyotaro Nagata
posted2019/04/06 08:00
“インテリ左腕”として注目を集めた三木田龍元。プロ入りを目指し、フォーム改造などに着手した。
プロの姿を見て、実感したこと。
今年2月、彼は千葉ロッテが春季キャンプを張る沖縄県石垣島にいた。
故郷の北海道とは正反対の冬が訪れるその場所で、彼は同キャンプの手伝いをしながら、プロの一流選手達がどれくらいのレベルにあり、どれくらいの練習を日々重ねているのかをつぶさに観察した。
「今までの僕だったら正直(プロに)入ったところで満足しちゃう部分があったと思うんですね。でも、それではあそこで通用しない。この人達と同じレベルになるには今の練習量じゃ全然ダメだと改めて感じました」
甘く考えていたわけじゃない。それでも自分の気持ちを引き締め直す良い機会になった。
三木田が言う。
「自分が20歳だったら、入ってから育ててもらえる猶予があったと思うんですけど、今の自分の年齢なら即戦力として一軍でどうにかなるレベルでないと指名はしてもらえないと思うんです。だから『プロに行けたら良いな』では届かないですし、今回、自分の目で見た一軍レベルのところまで上がって行けるように、しっかりやっていかなきゃいけないなと感じています」
残された時間には限りがある。でも、それをこじ開ける自分の未来を信じている。
その逆算も、彼の頭の中でしっかりでき上がっていることだろう。今秋、彼が再びミラクルを起こすことを信じている。