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メジャーリーグ開幕戦初勝利を飾った
田中将大が語る自らの強み。

posted2019/04/03 11:00

 
メジャーリーグ開幕戦初勝利を飾った田中将大が語る自らの強み。<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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Naoya Sanuki

  メジャーリーグ6年目を迎えた田中将大は、3月28日、開幕投手としてマウンドに登り、開幕戦初勝利を収めた。4度目の大役は日本人投手として初の快挙。名門ヤンキースでいかにコンスタントに結果を残し、その地位を確立してきたかが分かる。
  名プレーヤー揃いのアメリカで、成績を残し続けられる理由を問うと、田中は即座に自身の活躍を否定をした。

 僕が感じていることとのギャップはまさにそれですよね。僕自身は成績を残し続けているとは思っていないし、もっと言えば、周りの期待に応えられたシーズンなんて1度もありませんから。

 ただ、メジャーリーガーとして生き残れている理由であれば、何事にもアジャストすることでしょうね。マウンドの高さ、ボール、移動など、日本とアメリカとの違いは挙げたらきりがない。

 レギュラーシーズンの開催時期は日本と一緒ですけど、アメリカは日本より20試合も多いので、どうしても過密日程になりますよね。その中で自分の健康を保って、マウンドに上がり続けて、高いクオリティの投球をしなくてはいけない。たとえ、万全のコンディションでなくても、その中でいいボールが投げられるように、その日の自分の体調にもアジャストしなくてはいけない。もちろんアメリカの文化にもアジャストする必要がありますしね。

自分がやってみせないと、ついてこない。

 メジャー1年目は、日本のプロ野球でいくらキャリアを積んできたって、「いや、日本でしょ」って見られるわけです。それはそうですよね。メジャーに限らず日本のリーグだって多分そう思うんじゃないですか。「いや、でも日本ではやってないでしょ」って。

 そもそも僕に関していえば、18歳でプロになって、ありがたいことに1年目から注目をしてもらって、取り上げていただくことも多かったのですが、そのぶん面白くないと思っている人間もチームにはいて。自分自身も嫌な思いをしたり、何なんだろうって思った時期もありました(苦笑)。だけど結果を出すことによって、彼らの対応も変わってくるし、だんだんそういう雰囲気もなくなっていくんですよね。ちょっと性格の悪い答え方ですけど(笑)、そういうのは見ていて面白いなと思いました。

 日本でもアメリカでも、プロは結果が出ていれば周りには何も言われません。もちろん、だからと言って何をしてもいいということではありませんよ。そこは勘違いしてはいけない。

 ただ、これは学生の時からそうでしたけど、自分がチームを引っ張っていこうと思ったら、もちろん中心となって発言することも必要だけど、それ以上にプレーで引っ張っていくことが大事だと思っているんです。自分がやってみせないと、後ろからは絶対についてこないですから。いまでもマウンドに立つ姿から、感じとってほしいという気持ちはありますね。

 とくにアメリカは日本と違って、後輩からアドバイスを求められることもありませんから。これは僕が英語を話せないからじゃないですよ(笑)。だから、いろいろな選手を見ていて、もっとこうしたらいいのに、と思うことは多々ありますけど、何も言いません。

【次ページ】 自分の中で整理して投げることの大事さ。

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