Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER

<錦織世代、最強のライバル>
ミロシュ・ラオニッチ「知性と野心と」 

text by

内田暁

内田暁Akatsuki Uchida

PROFILE

photograph byHiromasa Mano

posted2017/01/17 09:00

<錦織世代、最強のライバル>ミロシュ・ラオニッチ「知性と野心と」<Number Web> photograph by Hiromasa Mano
1歳年少のライバルが、再び錦織を上回るランキングでシーズンを戦い終えた。柔和な優等生に見えるこの男が、なぜ猛者が集うツアーの世界でのし上がることができたのか。彼のルーツにも由来する意外なストロングポイントを解き明かす。

 以前は、髪の毛の一本一本まで神経質になでつけられていたオールバックのヘアスタイルは、最近ではさも自然な趣で、それでも確かな規律を保ちながら、野心的な目が光る顔の上でウェーブを描いている。

「日焼け予防」との理由で右腕を覆っていたトレードマークのアームスリーブも、昨季の中ごろに忽然と姿を消した。個性的なファッションはその時々で様相を変えるが、それらも彼の中では理由があり、全ては制御下に収められている。ビッグサーブとパワーが目立つゆえに、ともすると大雑把で単調にも見られかねないミロシュ・ラオニッチのテニスが、実は緻密な計画と、理知的な計算の上に成り立っているように――。


「彼は、まるで幾何学の問題を解くかのように、僕の教えを理解していった」

 ラオニッチをそう評したのは、昨年の6月から8月にかけてコーチをつとめたジョン・マッケンローだった。長身から打ち下ろす高速サーブを最大の武器とするラオニッチは、ネットプレーに磨きを掛けることでグランドスラムを獲得すべく、ウィンブルドン単複計8つのタイトルを誇る伝説的なボレーの名手を、芝のシーズン限定(後に延長)でコーチに雇ったのである。

こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
ウェブ有料会員になると続きをお読みいただけます。

残り: 2378文字

ウェブ有料会員(月額300円[税別])は、この記事だけでなく
NumberWeb内のすべての有料記事をお読みいただけます。

Go for the Top~2017テニス開幕特集~

Sports Graphic Number 919

Go for the Top
~2017テニス開幕特集~

 

ミロシュ・ラオニッチ
リカルド・ピアッティ
ジョン・マッケンロー
カルロス・モヤ

テニスの前後の記事

ページトップ