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因縁の地で生まれた快記録。悔しさをバネに山縣は前へ進む。~追い風0.2mでの10秒00は桐生クラスの記録だ~
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2017/10/12 07:00
会場のヤンマースタジアム長居は、山縣にとって6月の日本選手権で6位に終わった因縁のトラックでもあった。
日本人初の100m9秒台突入で沸き立つ陸上短距離界にうれしい続報が舞い込んだのは、桐生祥秀が9秒98(追い風1.8m)の歴史的日本新記録を樹立した日本インカレからわずか15日後の9月24日だった。
大阪・ヤンマースタジアム長居で行なわれた全日本実業団対抗選手権の男子100m決勝で、リオデジャネイロ五輪男子400mリレー銀メダルメンバーの山縣亮太(セイコーホールディングス)が、追い風0.2mながら10秒00の好タイムをマークしたのだ。
伊東浩司・日本陸連強化委員長が'98年に出したタイムと並ぶ日本歴代2位の好記録。自己ベストを0秒03更新した山縣は、「スタートから自分のレースができた。僕にもプライドがある」と胸を張った。