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タイトル戦まさかの敗北で“ロマゴン”が失ったもの。~井上との不敗対決も、PFPも水の泡に~
text by
前田衷Makoto Maeda
photograph byGetty Images
posted2017/04/03 08:00
僅差の判定でゴンサレスから金星をあげたシーサケットは、'14年5月以来の王座返り咲き。
3月18日ニューヨークMSGで行われたダブル世界タイトル戦で、2つの偉大な連続記録にピリオドが打たれた。
ミドル級のゲンナジー・ゴロフキンとS・フライ級のローマン・ゴンサレス、ともに現代を代表する不敗のスーパー王者が難敵と対戦した。メインカードのミドル級3団体王者ゴロフキンはWBA王者ダニエル・ジェイコブスに手を焼きながらも僅差判定勝ち。不敗は維持したものの、世界王座の連続KO防衛記録は「17」とウィルフレド・ゴメスの歴代記録に並んだまま。記録更新はならなかった。
こちらはまだ勝ったからいいが、もう1人の通称“ロマゴン”の初黒星はサプライズだった。タイのシーサケット・ソールンビサイに僅差の判定負けを喫し、王座を奪われるとともにデビュー以来の連勝記録を「46」でストップさせられたのだ。この試合を放映したWOWOWのゲスト解説を務めた井上尚弥は「ショックで言葉もない」と感想を口にした。年末に対戦が計画されていただけに、打倒ロマゴンの一番手になり損ねた絶望感はより大きかったはずである。