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秋場所を沸かせた遠藤。ケガと向き合う日々は続く。~賞金で買いたいのは「前十字靭帯」!?~
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph byKYODO
posted2016/10/22 17:00
秋場所千秋楽、錦木を寄り切る遠藤。「一番欲しかった」という技能賞受賞に花を添えた。
稀勢の里の綱取りが話題となり、豪栄道初優勝に沸いた9月秋場所。遠藤はひさしぶりに笑顔を見せて、千秋楽を迎えていた。前頭14枚目の地位ながら、豪栄道との優勝争いを最後まで盛り上げる功労者ともなる。準優勝に値する自身最高の勝ち星13勝を挙げ、技能賞も受賞した。持ち前の相撲の巧さが随所に見られ、満員御礼の館内を沸かせていたものだ。
思い起こせば、昨年3月春場所で左膝の靱帯を損傷する大ケガを負い、その後も右足首を痛め、もがき続ける場所が続いていた。今年初場所では途中休場、翌3月の春場所では、十両に番付を落とす。翌5月夏場所は前頭15枚目の番付で11勝するものの、7月の名古屋場所では3勝12敗と大敗する。しかし、直後の秋場所直前での稽古内容は、師匠が「ここ1年のうちで一番いい状態だ」と太鼓判を捺すほどに好調だった。