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ワールドシリーズに見るメジャーの投手力回帰。~長打力頼みのチームが消え、投手陣が武器のチームが進出~
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byYukihito Taguchi
posted2015/11/08 08:00
昨季新人王を獲得したデグロムは、今季14勝8敗。防御率2.54はチーム先発陣でトップ。
野球の基本は、「投手力」。
長年、球界の常識と言われてきたフレーズに回帰するかのように、メッツとロイヤルズが、強力な投手陣を中心にプレーオフを勝ち抜き、ワールドシリーズ(WS)へ進出した。
メッツの場合、ハービー、デグロム、シンダーガードと、いずれも27歳以下の先発陣が、常時95マイル(約153km)以上の速球を武器に、ライバル球団のスラッガーを封じ込めてきた。一昨年オフ、「トミー・ジョン」と呼ばれる右肘手術を受けたハービーだけでなく、3人とも年間200イニング以上を投げたことがなく、ポストシーズンの修羅場も経験していない。それでも、並外れた潜在能力を生かし、他球団を圧倒する投球を続け、チームを15年ぶりのWSへ導いた。