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逆転ロイヤルズと王朝の来季。
~主力を残留させられない懐具合~

posted2015/11/07 10:50

 
逆転ロイヤルズと王朝の来季。~主力を残留させられない懐具合~<Number Web> photograph by Getty Images

優勝を争うために今年の7月に獲得したジョニー・クエトだが、早くもFAで他球団へ去りそうだ。

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 逆転、逆転、また逆転。

 などと書くと1960年代のアクション・コメディ映画の題名のようだが、実際にそうだったのだから仕方がない。ポストシーズンのロイヤルズは、本当に勝負強かった。ALDS、ALCS、ワールドシリーズで合計11勝をあげたうち、逆転勝ちが8試合。そのうち、2点差以上をはねのけた試合が7つもあった(史上最多)のだから驚嘆に値する。スコアボードを思い出してみよう。

ALDS 第2戦 1対4(3回表)→5対4
ALDS 第4戦 2対6(7回終了)→9対6
ALDS 第5戦 0対2(4回表)→7対2
ALCS 第2戦 0対3(7回表)→6対3
WS  第1戦 1対3(6回表)→5対4
WS  第4戦 1対3(5回終了)→5対3
WS  第5戦 0対2(8回終了)→7対2

※ALDS=ア・リーグディヴィジョンシリーズ、ALCS=ア・リーグチャンピオンシリーズ、WS=ワールドシリーズ

 恐るべき反撃力だ。心が折れず、集中攻撃ができる。堅守と機動力とブルペンの充実は前からわかっていたことだが、ここまでメンタル面が強くなっていたとは知らなかった。とくに注目すべきは、ALDS第4戦(対アストロズ)の逆転劇。あのときのロイヤルズは、あとアウト6つでポストシーズンから姿を消すところだった。まさに風前の灯。あの難局を切り抜けたことで、彼らは強烈な自信を得たのではないか。

7回以降では51対11という圧倒的な強さ。

 だとすると、ロイヤルズが試合終盤に強かったのも納得がいく。ポストシーズンでの7回以降の合計得失点を見ると、ロイヤルズは51対11と圧倒的に打ち勝っている。桁外れの強打者はいないが、打線に切れ目がなく、火がついたときの集中打が手に負えない。相手ブルペンはたまったものではなかったろう。もちろん、合計失点を11に食い止めたロイヤルズのブルペンも素晴らしかったのだが。

【次ページ】 ロイヤルズの懐具合では、主力を留め置けない。

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