“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高校で無名の東海学園大トリオが、
風間グランパス内定を得た技術力。
posted2018/12/19 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
大学サッカー界で1年の締めくくりとなる全日本大学サッカー選手権(インカレ)。プロ内定選手4人を擁する東海学園大にとってのインカレは、初戦で新潟医療福祉大に1-3で敗れて幕を閉じた。
彼らが注目を浴びたのは2017年から2018年にかけてだった。まずエースの渡邉柊斗が、2019シーズンから名古屋グランパス入団に内定。'18年に入って4年生のFW榎本大輝が渡邉と同じく来季から、2年生MF児玉駿斗が2021シーズンからの名古屋グランパス入りを内定とした。そして190cmのCB鹿山拓真の来季からのV・ファーレン長崎入りも内定。たちまち将来のJリーガーが揃った、タレントだらけのチームとなった。
鹿山は長崎南山高の頃から注目の存在だった一方で、渡邉、榎本、児玉は無名の存在だった。つまり彼らは東海学園大で一気にサッカー界の注目株となったわけだ。
渡邉、榎本、児玉はサイズこそ大きくないが、技術レベルが非常に高く、サッカーセンスの良さも持っている。渡邉は今年始めに大怪我を負い、長期離脱を強いられたが、榎本と児玉はすでに名古屋でJ1デビュー、それどころかスタメン出場まで経験している。
「技術がある選手が上に行く」
「この大学に来てすごく上手くなったという実感がありますし、自分がプロという上のステージに行けたんだと感じています。だから(監督の)安原さんには凄く感謝しています。安原さんは『技術のある選手が上に行く』と常に言い続けてくれたので。そして僕らがプロで活躍すれば、安原さんのサッカー観が正しかったと証明できるはずなので、もっとアピールしたい」
こう語るのはドリブル突破と強烈な右足が持ち味の榎本だ。千葉・中央学院高時代、全国大会出場経験はなし。とはいえ中央学院はドリブルを重視していて、そこで磨かれたスキルが東海学園大で一気に華開いたということになる。
そして榎本が言う「安原さん」とは、東海学園大サッカー部をイチから作り上げた安原成泰監督のことである。