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阪神JFでダノンファンタジー戴冠。
兄たちのいぬ間にクリスチャン。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2018/12/10 11:30
ルメールやミルコが香港参戦のために不在だった阪神JF。制したのはクリスチャンだった。
ノーザンファームはGI今年13勝目。
「外から2番人気馬(クロノジェネシス)に来られたので、自分も外に行った。そこからすごくいい脚を使ってくれました」
お立ち台でのインタビューを「メッチャウレシイ。アリガトウゴザイマス」と日本語で締めくくったC・デムーロは、これが、アユサンで制した'13年桜花賞、タイムフライヤーで勝った昨年のホープフルステークスにつづくJRA・GI3勝目となった。
クリストフ・ルメールのアーモンドアイが勝った秋華賞から外国人騎手が9週連続GI制覇。前週のチャンピオンズカップをミルコ・デムーロのルヴァンスレーヴが勝っているので、デムーロ兄弟は2週連続GI勝利を達成したわけだ。
半馬身差の2着がクロノジェネシス、3着はビーチサンバ、ラスト200m地点でようやく前がクリアになったシェーングランツは4着までだった。
生産者のノーザンファームは今年のJRA・GI13勝目となり、同牧場の最多勝記録(昨年は11勝)をまた更新した。
2歳女王……はまだ決まらない。
これでダノンファンタジーが2歳女王の座についた……と言いたいところだが、プレビューでも触れたように、今週の朝日杯フューチュリティステークス(12月16日、阪神芝外回り1600m、2歳GI)に、同じ2歳牝馬のグランアレグリア(父ディープインパクト、美浦・藤沢和雄厩舎)がエントリーしており、有力視されている。
グランアレグリアは新馬戦でダノンファンタジーを2馬身突き放して勝ち、つづくサウジアラビアロイヤルカップでも、牡馬を相手に3馬身半差の圧勝。主戦騎手はルメールだ。
勝てば、おそらくこちらが2歳女王に選出されるだろう。となると、最優秀2歳牡馬はホープフルステークス(12月28日、中山芝2000m、2歳GI)の勝ち馬になるのか。
来春にはダノンファンタジーとグランアレグリアの再戦も見られるだろう。
外国人騎手による10週連続GI勝利が達成されるかどうかを含めて、興味は尽きない。