スポーツ百珍BACK NUMBER
ミシャはなぜ札幌で愛されるか。
北海道にはロマン主義がよく似合う。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/12/04 07:00
理想を掲げ、成績まで叩きだしたミハイロ・ペトロヴィッチ監督に対して、札幌サポの支持率は圧倒的だ。
理想と現実が一致するとしたら……。
しかしその大らかさを一番警戒しているのは、実はミシャ本人なのかもしれない。
いつも通り、試合内容を大いに語った後にこう締めた。
「ともに1年間メディアの方々といい仕事ができた。時として我々が負けたにもかかわらず、いいことを書きすぎだと思いますが……(笑)。皆さんの想いを感じています」
そんなミシャは「来季へ間違いなく向かっていくべき方向性を示せた。札幌は進むべき方向に進んでいく」とも話していた。これまでの傾向を踏まえると、間違いなく今季の土台をさらに熟成させるために突き進んでいくはず。
スタイルが成熟することで上位に安定するものの、主要タイトルにあと一歩続きだった広島、浦和時代。札幌1年目のエンディングもそれに近いものとなった。
ただミシャが今まで得られなかった大きな収穫を得る舞台があるとしたら――。それはロマンと大らかさが両立する北海道こそがふさわしい。そんな風に感じた。