酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
斎藤佑樹らを逃しても山田哲人。
ドラフト「外れ1位」の味わい深さ。
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKyodo News
posted2018/10/22 07:00
斎藤佑樹と塩見貴洋を外した結果、山田哲人を獲得したヤクルト。ドラフト以上に大事なのは、その後だろう。
清宮の外れ1位が安田、村上ら。
記憶に新しいのが清宮幸太郎の7球団指名だ。
<2017年 清宮幸太郎(早実高)>
日本ハム 指名権獲得
ロッテ 外れ→安田尚憲(履正社高)
ヤクルト 外れ→村上宗隆(九州学院高)
巨人 外れ→鍬原拓也(中央大)
楽天 外れ→近藤弘樹(岡山商大)
阪神 外れ→馬場皐輔(仙台大)
ソフトバンク 外れ→吉住晴斗(鶴岡東高)
今年の新人だから、まだ何とも言えないがロッテの安田やヤクルトの村上あたりは清宮のライバルになりそうな好打者たちだ。
清原を外した5球団は……。
1985年の清原和博は6球団の競合だった。
<1985年 清原和博(PL学園高)>
西武 指名権獲得
中日 外れ→斉藤学(青山学院大)
阪神 外れ→遠山昭治(八代第一高)
日本ハム 外れ→広瀬哲朗(本田技研)
南海 外れ→西川佳明(法政大)
近鉄 外れ→桧山泰浩(東筑高)
巨人入りを志望していた清原を巨人が指名せず、PL学園高の盟友、桑田真澄を指名したことで話題になったドラフトだ。
外れ1位では日本ハムの内野のリーダーになった広瀬と、南海・西川、阪神・遠山の両左腕投手がまずまずの活躍を見せた。ちなみに西川はPL学園高出身で清原の先輩にあたる。超軟投派で、阪急の上田利治監督が「公園のおっさんが投げてるみたいな(西川の)球が、なんで打てへんねん」と阪急ナインを叱ったのが印象的だった。
他にも6球団の重複指名には1979年の岡田彰布(早稲田大→阪神)、2007年の大場翔太(東洋大→ソフトバンク)2009年の菊池雄星(花巻東高→西武)、2010年の大石達也(早稲田大→西武)があった。