ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
大地震2日後、根室のリングで見た
ジャイアントパンダへの声援と笑顔。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph byGantz Horie
posted2018/09/13 08:00
地震の影響が心配された中での開催だったが、アンドレザ・ジャイアントパンダが出てくると会場は大いに沸いた。
市民みんなを笑顔にしてくれた。
「経験した方ならわかると思いますけど、停電になると何もできないんですよ。仕事もできないし、お店もみんな閉まってるし、時間潰すのにビデオとかテレビも見られない。そういう状態が2日間続いていたので、あれだけ盛り上がったのは、その反動もあったんじゃないですかね。新根室プロレスで楽しむのと同時に、『電気がついたぞー!』っていうよろこびでもあったと思います」
今回の三吉神社例大祭は、電気復旧のよろこびを分かち合う復活祭のような盛り上がりとなったのだ。
「開催まではいろいろ不安でしたし、開催して本当にいいのかなという葛藤もありましたけど。根室の人たち、とくに子供たちがあんなによろこんでくれて、開催して良かったなって思いますね」
大会の最後は、新根室プロレス統括本部長のOSSANタイガー選手が、「無理しない! 怪我しない! 明日も仕事――ッ!」と、新根室プロレスのモットーを観客全員と唱和して締めた。
北海道の人たちに元気を与えるなどと、大それたことは言わない。でも、会場に来た根室市民みんなを笑顔にしてくれた新根室プロレス。
無理せず、ケガせず、日々の生活を大事にしながら、これからもアンドレザ・ジャイアントパンダと新根室プロレスは、北海道の片隅から各地に笑顔を届けてくれることだろう。