くまさんの蹴球漂流記BACK NUMBER
広島のパトリックはPK1つでも貪欲。
Jで勝負する外国人FWに学ぶこと。
text by
熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph byGetty Images
posted2018/08/11 08:00
広島のJ1首位快走の立役者パトリック。将来的な日本国籍取得も視野に入れているというほどの親日家だ。
異国で勝負する外国人のたくましさ。
PKを獲得した者とPKスポットを先に占有した者の争いは、結局後者が勝った。高原がしぶしぶ引き下がり、エジミウソンがゴールを決める。このゴールが決勝点となり、浦和は勝利を収めた。
「あいつ、きたねえなあ……」と思いながらも、異国で勝負する外国人のたくましさ、したたかさに感心したものだ。
チームメイトの手柄を強引に奪ったエジミウソンと違って、パトリックは同僚やベンチも了解した上でPKを決めた。だが、こちらも鋭い嗅覚を働かせてチャンスをつかんだところは変わらない。
試合後、ゴールを決める秘訣について尋ねたところ、パトリックはポジショニングについて強調していた。
「いいポジションを取ることかな。どんな試合でも必ず一度はチャンスが来る。そう信じて、いいポジションを取り続けることが大事なんだ」
いいポジションを取ることの大切さは、Jリーガーならだれもがわかっているはず。だが、敵はもちろん、味方より先にいい場所を取ろうとするのは、異国で戦う外国人ならではかもしれない。このあたりの抜け目なさ、貪欲さは、大いに見習いたいものだ。