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15年前の松井秀喜と似ている?
大谷翔平、2打席連発での大変貌。
posted2018/08/13 07:00
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
Kyodo News
2018年8月3日、クリーブランド。
この日、「3番・DH」で出場した大谷翔平は“初づくし”の大活躍を見せた。
1回、先発右腕・クレビンジャーから左中間スタンドへ10号2点本塁打を放つと3回には右中間スタンドに2打席連続の11号本塁打。8回には左腕ペレスから左前打、9回は右腕オテロから中前打を放ち5打数4安打、2本塁打、3打点となった。
3番での出場が初ならば敵地での本塁打、逆方向への本塁打も初。2打席連続、1試合2本塁打も初めて。4安打は日本ハム時代にもない。“初づくし”は、6つにも及んだのだった。
前日まで大谷の打率は.257だった。7月3日に打者として復帰してからだと、65打数13安打、打率.200と、さらに低かった。それが一夜にしての大変貌。
打撃とは、そういうものとも言えるが、彼は慎重に言葉を選んだ。
「まだまだ(自分の)打撃の型があるような感じではない。それをしっかり探したい」
大谷翔平の爆発を見て15年前のことを思い出した。
松井秀喜の大爆発のきっかけとは?
2003年6月5日、シンシナティ。
この日、ヤンキースの松井秀喜は5打数4安打、1本塁打、3打点の活躍を見せた。当時の松井も前日までは打率.250、3本塁打と低迷していた。アメリカでナンバーワンのクオリティー・ペーパーと評されるニューヨーク・タイムス紙からは『ゴロ・キング』というありがたくないニックネームも頂戴していたが、この日を境に松井は本来の輝きを取り戻した。
6月5日以降は379打数118安打、13本塁打、73打点、打率.311。野球通で知られるニューヨークのファンを虜にし、辛辣さにかけては米国ナンバーワンと言われるニューヨーク・メディアからは「クラッチ(勝負強い)」の称号を与えられた。