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堂安律、その野望を大いに語る。
「ムバッペを引きずり下ろしたい」
text by
生島洋介Yosuke Ikushima
photograph byShigeki Yamamoto
posted2018/07/22 11:30
インタビュー中、朗らかな表情を見せる堂安律。その眼力は日本サッカーの主役を奪う意欲に満ちている。
フローニンゲン移籍の決め手って?
――そもそもフローニンゲンへの移籍の経緯を振り返ると、とても戦略的でしたね。
「シーズンが終わって、よくそこを評価してもらいます。移籍するときは、なんやそのチームはっていう人もいましたけど、いま振り返ると、一番のチョイスやったなと思います。確かに、あの時期はワールドユース(U-20W杯)の終わり頃やったんで、行こうと思えばいくつか話はあったんです」
――アヤックスとかPSVが接触したという報道もありました。
「まだ正式なオファーではなかったですけど。他にもドイツのクラブがいくつか興味を持ってくれていたなかで、自分の実力を冷静に考えました。おれができるかできんか考えて選択したんです」
――誰かに相談したりいいアドバイスがあったのですか?
「いや、特になかったですよ。ただ自分の実力はわかっていました。これは諦めてるんじゃなくて、いまの自分ができるかできひんか、ただそれだけを考えたら、ドイツじゃなくてオランダだなと。オランダのなかでも下位じゃなくて上位でもなくて、中位ぐらいのチームに行くべきだなと思いました」
――自分ができるかできないか、というのは、出場時間を確保できるかという意味?
「単純にどこに行けばサッカーがうまくなれるか、ですね。もし僕がドイツに行ってうまくなるならドイツに行っていました。でも試合に出られなかったらうまくなれない。条件としては、出場時間とクラブの熱量かな」
――フローニンゲンは、堂安選手のどういう点を評価していた?
「やっぱり得点力ですね」
――U-20W杯でもインパクトありましたからね。
「ただ、フローニンゲンだけはその前なんですよ。僕はイタリア戦で2点取ったじゃないですか。あれの前のウルグアイ戦後にオファーを出すと言ってくれていました。イタリア戦の後いくつかのクラブからばあーっと話が来たけど、フローニンゲンだけはその前。1年半ぐらい堂安を追っているからもう間違いないと言ってくれて。で、イタリア戦が終わってから、ほらなって、ドヤ顔で言ってきたらしいんですけど(笑)」
――ゴールを決めた瞬間に本当に連絡がどっと来る?
「興味があるから継続的に追いかけたい、だから連絡を取り合おうぜと。もともと僕も、自分の夢を掴むために、人生を変えるつもりであの大会に臨んでいましたから」
――どうやってステップアップしていくか、ここまで戦略どおり?
「いやいや、もっともっとしないといけない。一番はもっとガンバで試合に出て、タイトルも取ってから行きたかった。やっぱり7、8年間も育ててもらったクラブですから。それが果たせなかったのがプロになってから一番の悔いですね」