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「スポーツクライミングを、もっと!」
競技を支える人たちの熱意。<PART1>

posted2018/07/31 11:00

 
「スポーツクライミングを、もっと!」競技を支える人たちの熱意。<PART1><Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

サポートする多くの人の想いが、選手たちを奮い立たせる。

text by

石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph by

Atsushi Hashimoto

『東京2020ゴールド街づくりパートナー』として、地域に根ざしたさまざまなスポーツイベントなどを開催している三井不動産。果たして最近大きな注目を集めているスポーツクライミングという競技に対して、どのような姿勢でサポートしているのか。そこには“場”を活用するデベロッパーならではの狙いがあった。

 街の付加価値を高めたい――デベロッパーがスポーツクライミングをサポートする意義について、三井不動産の鵜沢周平さんは次のように語る。

「弊社は“街づくり”という観点においてマンションや商業施設といったハード(建造物)面での強みを持っていますが、スポーツというソフトコンテンツを取り入れることで、より街の付加価値が上がるのではないかと考えています。とくにスポーツクライミングは強い日本人選手が多いことから近年、注目度も高く、また老若男女問わずトライしやすい競技ということで幅広い層にアピールできるのではないかと思っています」

 昨年の春、三井不動産が運営する『ららぽーと豊洲』のイベント広場にウォールを立てクライミングイベントが開催された。初めての取り組みだったが、大人から子どもまで多くの人が集まり、賑わいを見せたという。

「競技への認知はもちろん、面白さもぜひ知ってもらいたい。競技を普及させることも私たちの務めだと考えていますし、非常に満足感のあるイベントになったと思っています」

夢はクライミング競技場設営!

 鵜沢さんは学生時代に『ウィンブルドンジュニア』にも出場した優秀なテニスプレイヤーだったが、サポートをきっかけに自身もクライミングに挑戦しているという。

「体力には自信があったのですが、いやー、むずかしいですね。ただ、知れば知るほど面白いし、奥深さを感じられるスポーツです。弊社ではトップ選手をお呼びしてクライミングの社内体験会を行ったのですが、それ以来トライする社員が増えて盛り上がってきています」

 競技を自ら体験することで、それを“街づくり”にフィードバックしていく。

「デベロッパーとして“場”を最大限に生かしたサポートをしていきたいです。また個人的な夢であり、弊社としてのひとつのゴールだと思うのですが、いずれは世界選手権が行われるような機能的なスポーツクライミング競技場を設営できたらいいなと思っています」

【次ページ】 傾斜や難易度を3D化で分かりやすく。

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