猛牛のささやきBACK NUMBER
まさかのホームラン誤審で論争勃発。
現在のリクエスト制度は問題だらけ。
posted2018/06/25 16:30
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph by
Kyodo News
「なんで逃げる? 誰が見てもファールやないか!」
ベンチ裏の通路。オリックスの福良淳一監督が大声で審判団に詰め寄った。
「ちゃんと見てくれよ! (打球がポールの後ろに)消えてないって! もう一回ちゃんと見てくれよ!」
「映像で確認した時には確実に消えてました」
「いろんな角度の映像見たんか?」
「みんなで確認した時に、ポールからボールが消えた。ということはファールではない」
「消えるわけないやないか! ファールやのに」
福良監督と審判団の激しい問答が約10分間続いた。
怒りを隠せず「明日1面や。大誤審や」
守備についていたオリックスの選手からもファールに見えたという。怒りを隠せず「明日1面や。大誤審や」と言いながら引き上げてくる選手もいた。
6月22日にほっともっとフィールド神戸で行われたオリックス対福岡ソフトバンク戦の試合後のことである。この試合は、交流戦明けのパ・リーグ公式戦の再開初戦で、同率3位にいる2チームの直接対決だった。
問題となったのは、3-3の同点で迎えた延長10回表2アウト一塁。投手はこの回からマウンドに上がったオリックスの近藤大亮、打者はソフトバンクの中村晃という場面。カウント2-2から中村が放ったライトポール際への打球は当初、ファールと判定された。
中村は再び打席に向かおうとしたが、審判団がおもむろに集まり、その後、ソフトバンクの工藤公康監督からリクエストが要求された。
そして審判団によるリプレー検証の結果、ファールの判定が2点本塁打に覆った。これが決勝点となり、5-3でソフトバンクが勝利した。