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ヤクルトの「新・勝利の方程式」。
石山、近藤、中尾が開花した瞬間。 

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浜本卓也(日刊スポーツ)

浜本卓也(日刊スポーツ)Takuya Hamamoto

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posted2018/06/16 07:00

ヤクルトの「新・勝利の方程式」。石山、近藤、中尾が開花した瞬間。<Number Web> photograph by Kyodo News

「9回になれば石山がいる」という安心感が今のヤクルトを支えている。

田畑コーチ「みんな年俸が高いわけじゃない」

 空位となった守護神の座を、本来はセットアッパーだった石山が埋めた。今季から投手主将にも就任。「僕は何もしていないですよ」と謙遜するが、5月30日ロッテ戦から「セーブ機会があればいく準備はしています」と、4日連続でマウンドに上がって4連続セーブを挙げるおとこ気を見せた。

 主力の不調から生まれた「新・勝利の方程式」が、確実に勝機をものにしていった。

 10日までの55試合で、中尾は27試合で5勝1敗、近藤は26試合で防御率1.65、石山は27試合で2勝9セーブ、防御率0.91。抜群の安定感を保っている。

 田畑投手コーチは「みんな年俸が高いわけじゃない。ハングリー。競争をして、自分の持ち場をつかんだ。いい投手陣になってきている」と信頼感を口にすれば、石井弘投手コーチも「投手陣はみんな去年の悔しさをもってやっている。どんな展開でも、攻撃陣もあきらめずに打ってくれる。だから1点でも少なく、という気持ちになっている。まとまって勝とうっていう気持ちがあります」と話した。

 '15年のリーグ制覇時には、7回以降はロマン、オンドルセク、バーネットの継投で、相手打線を沈黙させた。「6回までにリードすれば勝てる」という絶対的な信頼感があった。今の3投手が、その域に達することができるかどうか。伸びしろ十分の「燕の勝利の方程式」が、快進撃を支えている。

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