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連闘モズアスコット◎が大的中!
安田記念で矢作師を信じた根拠。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2018/06/04 11:30
モズアスコットを先頭でゴールに導いたクリストフ・ルメール。マイル戦線に一躍スターホースが躍り出ることになった。
いずれは海外で戦うべき馬だが……。
安田記念を勝ったことにより、秋にアメリカで行われるブリーダーズカップマイルの優先出走権を獲得した。
「フランスの方からは、ジャックルマロワ賞にも招待しますと言われましたが、慎重に見極めたいですね。いずれは海外で戦うべき馬ですが、時期を見るべきかな、と。現時点では、今後に関してノーアイディアです」
今後、2000mの天皇賞・秋などを使うこともあるのだろうか。
「まったく可能性がなくはないと思いますが、どちらかというと、マイルにこだわりたいですね」
強豪がひしめくマイル界に、新たなスターホースが誕生した。
連闘でキッチリ仕上がるのだから面白い。
さて、いつもながら、誰も言ってくれないので自分で言うが、筆者は本稿のプレビューでモズアスコットを本命にしていた。ここ数戦の内容がよかったし、「平成の安田記念が連闘Vに始まって連闘Vに終わる」という形は、いかにもありそうな気がしていた。
昔はレース名のない「平場のオープン」というレースがあり、GI級レースを勝った強豪が調教代わりに使って、あっさり負けたりすることが珍しくなかった。今ほど調教施設が充実しておらず、競馬を使いながら仕上げるのが普通だったからこそのシステムだ。
しかし、現在はトレセンだけでなく、レースの合間に馬が過ごす、ノーザンファーム天栄などの外厩(がいきゅう)でもバリエーション豊かな調教ができるようになった。それでもなお、連闘でキッチリ仕上がるケースもあるのだから面白い。
安田記念で賞金を加算したモズアスコットが、今後また連闘でGIに出てくることはおそらくないと思うが、矢作厩舎のほかの馬は十分あり得る。
「連闘の矢作厩舎」に、これまで以上に注目したい。