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正式メンバーとしての米ツアー初戦。
小平智と、彼を支える4人の仲間。
posted2018/05/16 08:00
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
Sonoko Funakoshi
今年のマスターズ出場を目指して、アジアやメキシコ、アメリカの大会に次々に挑み、見事、オーガスタへの切符を手に入れた小平智。
初出場したマスターズでは堂々4日間を戦って28位になり、その翌週、RBCヘリテージでは韓国のキム・シウとのプレーオフを制して米ツアー初優勝を遂げた。
米ツアー正式メンバーとして臨んだ最初の大会は「第5のメジャー」と呼ばれるプレーヤーズ選手権だった。米ツアー優勝者としてトーナメント会場に足を踏み入れれば、眼前に広がる風景は以前とは何かしら変わるのではないか。
そんな想像を巡らせながら、TPCソーグラスのクラブハウス前で小平を待った。
やがて1台のオフィシャルカーが近づいてきた。助手席に座っていた小平は、通りすがりに笑顔で会釈。車は選手用の駐車場へと進み、「Reserved for Satoshi Kodaira」とネームプレートが掲げられた小平のための専用スペースに停まった。
「おはようございます。今週も頑張ります。じゃあ、ちょっと練習してきます」
車から降り立ち、そう挨拶した小平に緊張の色は見られなかった。
振り返れば、2月にメキシコ選手権で会ったときも、3月にアーノルド・パーマー招待やマッチプレー選手権で会ったときも、彼はいつも同じ表情をたたえ、いつも同じトーンで話した。「ずっと目指してきた」という夢のオーガスタで会ったときでさえ、彼の表情や口調は、やっぱりいつも通りだった。
「そこが小平智らしさなんです」
そして、プレーヤーズ選手権初日のスタートホール。
「2018 PGAツアー・ウィナー、サトシ・コダイラ!」
そのアナウンスを聞いたとき、小平は「ここがこれから主戦場になるんだな」とは思ったが、「緊張は全然なかった」。いつも通りで緊張も気負いもない。
「そこが小平智らしさなんです」
彼を支える面々は、みな、そう言っていた。