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ノムさんに酷評されたリードは過去。
西武・炭谷銀仁朗が榎田復活を支援!
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byAFLO
posted2018/05/16 10:30
炭谷(中央)はWBCに2013年の第3回、2017年の第4回と2大会連続で出場している。
ロッテの試合でも凄く覚えている。
2016年のオフから、炭谷と共に自主トレを行っている千葉ロッテの江村直也もこう言う。
「炭谷さんは良い意味でとても細かいです。たとえば『あのときの試合のあの場面、こうだったよね』とか凄く覚えているんです。僕が質問したことに対しても、納得が行く答えが返って来たり、自分たちとの試合のこともそうですけど、本当に良く試合を見ているし、覚えています。
もちろん私生活の部分でも周りへの気配りを怠らないですし、何時に起きると決めたらその時間にちゃんと起きて、待ち合わせでも、絶対に遅れない。野球だけじゃなく全てのことで、自分は学ぶものが多かったです」
そんな炭谷だからこそ当然、投手陣からの信頼も厚い。
昨年は菊池雄星が投げた26試合全てでスタメンマスクを被り最多勝、最優秀防御率の二冠をアシスト。一昨年も開幕から8月末までの17試合でコンビを組み、厚い信頼関係にある。埼玉西武に籍を置いてから輝きを増したブライアン・ウルフとも昨年全試合でコンビを組み、今季は前述した榎田大樹の良さを引き出している。
最近では森友哉がマスクを被る機会も増えたが、まだまだ彼の存在意義は大きい。
江村は、炭谷についてこうも話す。
「リードだけというよりもプレー全体で自分の意思をしっかり持つことが大事だと僕の中では捉えています。一球、一球、意思を持ってサインを出すのもそうだし、その答えも常に持っておくのが大事だと……。なんでも中途半端にするのではなく、自分の思ったことをまずはやり切ることが一番大事なんだと銀仁朗さんは言っているんだと思うんです」
様々な痛みや経験をバネに、捕手としての深みは増した。連敗の嫌な流れを止めたのも、ある意味、彼の洞察力があればこそだった。