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BリーグNo.1の守備力を支えるもの。
琉球はCSで台風の目になれるか。
posted2018/05/11 08:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
B.LEAGUE
琉球ゴールデンキングスは今シーズン開幕前に大量7人もの選手を入れ替えたハンデをものともせず、リーグで最も守備の硬いチームへと成長して、西地区のチャンピオンとしてプレーオフであるチャンピオンシップ(CS)に挑む。
同時に何かを期待させる、チャレンジャーとして。
栃木ブレックスにいた昨シーズン、ファイナルMVPに輝いた古川孝敏はこう話す。
「やりたいバスケが明確になってきていて、それを徹底するというところにみんなの意識が向いています。タフな試合でも我慢して、やりきれることも出てきましたし。もちろん、完璧を追い求めていきたいところですけど、シーズン前半の上手くいかなかった時期から比べると、どれだけ自分たちが成長してきたかというのはある。そこには自信をもってやれると思います」
シーズン最終盤の4月以降、琉球は川崎ブレイブサンダース(リーグ勝率5位)、シーホース三河(同1位)、アルバルク東京(同3位)、千葉ジェッツ(同2位)など上位勢との試合を戦い抜いた。全チームのなかで最も厳しい日程だった。
最終節のジェッツ戦は、1試合目に敗れた時点で両チームの順位が確定したこと、さらにシーズン最終戦だったこともあり、選手のプレータイムを制限して連敗を喫したが、その前の川崎、三河、アルバルク東京との3カードは、いずれも1勝1敗だった。
明確になった勝ちパターンと負けパターン。
田代直希は11月5日のレバンガ北海道戦でスタメンに抜擢され、それ以降もチームの要求を高いレベルで遂行し続けてきた。そして、こう手応えを口にした。
「この日程のなかで強豪と戦えたのはスケジュール的にもすごく良かったと思います。課題が浮き彫りになりましたから」
どういうことだろうか。田代はこう続ける。
「チームとしての負けパターンが明確になったということですよね。僕たちはディフェンスのチームなので、耐えきれずに、大きいラン(自分たちの得点がないまま、相手の得点が続くこと)をとられて崩れると、取り返せなくなってしまう。
逆に、ビハインドを負っていても一桁の点差で耐えていけば、最後の爆発力で巻き返せるという感覚はあった。(延長戦の上で競り勝った)川崎戦みたいにああいう風に食らいついて、食らいついて、というのが勝ちパターンとして明確になったのが良かったかなと思います」
どうすれば勝てて、どんな戦いをしてしまったら負けるのか。最後の1カ月の戦いで、それがすり込まれたところに、彼らのチャンスがある。