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八村塁、今年はNBA入りせず。
大学残留で得られるものとは? 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byYoko Miyaji

posted2018/04/17 10:30

八村塁、今年はNBA入りせず。大学残留で得られるものとは?<Number Web> photograph by Yoko Miyaji

来季もゴンザガ大でプレーすることを発表した八村。「もっとバスケットボールを学び、向上することを楽しみにしている」とコメントした。

NBAに飛び込むため、強い競争心を。

 たとえば、3月15日、シーズン集大成となるNCAAトーナメントの1回戦。ノースカロライナ大グリーンズボロとの試合で、相手のペースに飲み込まれた八村は、自分の持ち味を発揮できなかった。幸いチームメイトの活躍で試合には勝ったが、「何もできなくて、チームに迷惑をかけた」と反省していた。

 その翌日の練習で、フューHCは八村に対して、いつも以上に厳しく当たった。1回戦でのプレーがソフトだったと指摘し、もっと気持ちをこめて戦えと叱咤した。

「そうすることが私の仕事だからね」とフューHCは言う。

「私はこの子(八村)に強い競争心を植え付けたいんだ。それが、彼のために私がやらなくてはいけないことだと思っている」

 選手として成長するために、そして、この先、目標とするNBAの厳しい競争に飛び込み、そこで生き延びるためにも、どんな相手でも気弱にならず、相手を倒しに行くようなメンタリティは必要不可欠なものだ。そのメンタリティがないために、NBAで力を発揮できずつぶれてしまう選手も多い。それを知っているからこそ、八村に厳しく当たるのだった。

自己最多の25得点4ブロックをマーク。

 フューHCのそんな愛の鞭に応え、八村はNCAAトーナメント2回戦の対オハイオステイト大戦では、自分から仕掛け、攻める姿勢を見せた。結果は自己最多記録の25得点、4ブロックをあげたほか、リバウンドも5本奪い、攻守に活躍した。

 試合後、フューHCは満足そうに「きょうのルイは、競争者として成長を見せてくれた」と喜んだ。

「前の試合での彼は、神から与えられた運動能力を使うことなく、フロッピングしたり、ソフトなプレーをしていた。でも、きょうの彼はタフだった。ずっと『タイガーになれ』『キラーになれ』『ハートをもって戦え』と言い続けてきたが、今夜の彼はそれを見せてくれた。とても誇らしい思いだ」

【次ページ】 控えFWも愛情をこめて“叩きのめす”。

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