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珍しい展開の皐月賞を完全勝利。
エポカドーロが乗った2つの流れ。
posted2018/04/16 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
ひとつのレースのなかに、激流と緩流の2つの流れが生じた。勝者は、緩流に乗った伏兵だった――。
第78回皐月賞(4月15日、中山芝2000m、3歳GI)を、戸崎圭太が騎乗した7番人気のエポカドーロ(牡、父オルフェーヴル、栗東・藤原英昭厩舎)が優勝。新種牡馬オルフェーヴルにとっても、地方からJRAに移籍して6年目の戸崎にとっても初のクラシック制覇となった。2着は9番人気のサンリヴァル、3着は8番人気のジェネラーレウーノ。1番人気のワグネリアンは7着に終わった。
6番のアイトーン陣営が逃げ宣言をし、16番ジュンヴァルロの大野拓弥は「途中からハナに立ってもいい」とコメントしていた。そのほか、7番エポカドーロ、8番ケイティクレバー、そして10番ジェネラーレウーノが逃げ切り勝ちを経験していた。
道中、馬群が真っ二つに。
これだけ前に行きたい馬が多いときは、ハナ争いが激しくなってハイペースになるか、逆に、どれが行くかわかっているので、意外と流れが落ちつくかのどちらかになる。
今回は、その両方の流れが生じた。
道中、馬群が真っ二つに分かれる珍しい展開になった。
ハナに立ったアイトーンと、差なくつづいたジェネラーレウーノ、ジュンヴァルロの3頭はハイペースで進んだ。
それらから大きく遅れた第2グループの先頭、つまり4番手につけたのがエポカドーロだった。道中、前の3頭とエポカドーロの差は最大で10馬身ほど、時計にすると2秒ほどになった。この第2グループは、追走が楽な緩めの流れになった。
戸崎が望んでいたとおりの展開だった。
「何頭か前に行く馬がいるので、先生(藤原調教師)と相談し、その後ろのポジションで行ければと思っていました。馬は落ちついていて、返し馬から違いました。道中も力強かったです」