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三竿健斗「簡単には解決しない」。
鹿島が悩む昨季終盤からの停滞感。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2018/04/10 16:30
中盤のアンカーとして期待が集まる三竿健斗。鹿島では試行錯誤の時を迎えているようだ。
攻撃面にアイデアが出てきてはいるが。
実際、攻撃の停滞感は数字にも明確に表れている。開幕後のリーグ戦5試合で失点は1のみに抑えていたものの、得点はわずかに2しか奪えず、複数点を挙げた試合が一度もない。これでは勝点3を得るのは厳しい。
「前の札幌戦よりも、ゴール前での崩しはみんなアイデアがあったし、流動的に3人目を使えている。そういう場面を90分通して増やしていきたい」
こう話す三竿だが、まだまだ満足のいくレベルには至っていないのが現状だろう。
大岩剛監督の采配にも少々迷いが見られた。後半24分、土居聖真に代えて安部裕葵を、後半34分には西大伍に代えて永木亮太を投入した。ボランチが本職の永木を右サイドバックで起用し、最後の交代カードは小笠原満男に代えてサイドハーフの金森健志が送り出された。ただ最終的にはアディショナルタイムに決勝ゴールを奪われた。
「もっとお互いに厳しく要求していく」
「あれだけ押し込んでいたのに、最後の最後にやられるのはもったいない。今、何かひとつの刺激でチームが変わるかどうかは分からない。そう簡単に切り替えることができないし、簡単には解決しないと思う。みんな苦しいけど、ここをみんなで乗り切らないといけないし、もっとお互いに厳しく要求していく必要があるんじゃないかなと思います」
三竿は、厳しい表情でそう言った。
鹿島は現時点でまだ2勝2分2敗、湘南戦では金崎が献身的なプレーを見せたように、チーム全体の士気は保たれている。だが三竿の「簡単には解決しない」という言葉を踏まえれば、楽観してはいられないだろう。
19冠を誇る常勝・鹿島が大きな試練に直面している。