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ウッズ、ミケルソンとマスターズで。
松山英樹「同組だったら、ヤバイ」
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/04/04 07:00
マスターズに戻ってくるタイガー・ウッズ。松山英樹もそのプレーぶりに注目している。
優勝オッズで一番人気になるほどの期待。
ウッズは2013年WGCブリヂストンインビテーショナル以来の優勝が待たれる立場ながら、この春の活躍ぶりが目覚ましい。1年前にキャリア4度目となる腰の手術に踏み切ったが、今回は初体験のフュージョン手術というものだった。
ウッズ自身も「まったく新しい体になった」と、先行き不透明な状態を少なからず不安視していたものの、1月のツアー復帰から試合を追うごとに状態を上げてきた。
2月下旬以降、フロリダでの3試合で12位、2位、5位の成績。本人が復活へのプロセスを歩む一方で、世間の反応は過剰とも言える。
英国などの各ブックメーカーによるマスターズ優勝オッズで、3月上旬には1位に推された。大会直前にこそマキロイやスピース、トーマス、ジョンソンらに次ぐ存在に落ち着いたが、5年間タイトルがないことを考えれば普通ではない。
その盛り上がりにウッズは「世の中にはギャンブラーがたくさんいるもんだね」と冷静だが、期待値は絶大だ。
松山は'13年に2人と同組でプレーした。
5年の時を経て、復調傾向でマスターズに臨むふたり。ところで、その2013年に両者が勝った試合を振り返ると、共通することがひとつある。
第1&第2ラウンドの36ホールで彼らはそれぞれ、松山英樹と同組でプレーしていたのだ(※ブリヂストンインビテーショナルは出場者全員が4日間プレーするので「予選ラウンド」という概念はない)。
松山は当時、まだ東北福祉大に在籍していたプロ1年生。ミケルソンと回った全英オープンの2週間後に、ブリヂストンインビテーショナルでウッズと一緒になった。いずれも米ツアーに本格参戦する直前の夏のことだった。
松山は彼らの“空白の時間”に5勝を挙げ、ツアーの顔のひとりになった。その間に今年を含めて何度か同組になる試合があり、カムバックを目の当たりにしてきた。
「フィルは今年、すごく良いゴルフをしていたんで、そのうち勝つんだろうなという気がしていました」