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ウッズ、ミケルソンとマスターズで。
松山英樹「同組だったら、ヤバイ」
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byYoichi Katsuragawa
posted2018/04/04 07:00
マスターズに戻ってくるタイガー・ウッズ。松山英樹もそのプレーぶりに注目している。
ウッズのヘッドスピードに「人間じゃない」。
幼い頃からの憧れたウッズへの反応はより敏感だ。3月のバルスパー選手権で、ウッズの1Wショットのヘッドスピードは今季の全選手中最速の129.2mi/h(57.75m/s)を記録した。「4回も手術をして、人間じゃない。129って……無理っす。速すぎる。自分にとっては目標の数字です。いつかの……」と遠い目までした。
ミケルソンはツアー通算43勝、うちマスターズ3勝。ウッズは79勝、オーガスタでは4勝を誇る。松山は「タイガーと一緒に回っているときは、周りのギャラリーの空気がすごく変わる。フィルはニコニコして、ギャラリーもそんなにバカ騒ぎしない。彼なりの“雰囲気作り”もあるんじゃないですかね」と、それぞれの周囲の違いを説明するが、両者への尊敬の念は蓄積されるばかり。
「ふたりともレジェンドですよ、レジェンド」
3月、松山はアーノルド・パーマーインビテーショナルの予選ラウンドをウッズと一緒にプレーした。実は2日目のラウンドを終えた後、人知れずウッズのボールを手に入れた。「家宝にするかな」。練習場でそう呟き、ポケットにしまい込んだ顔は実に嬉しそうだった。
もしマスターズで一緒にプレーしたら。
来るマスターズ。グリーンジャケットをかけた争いの最終局面で、もしも彼らと一緒にプレーしたらどんな気持ちになるだろうか?
「ヤバイでしょう、ヤバイ。やっぱり……影響力がすごい人たちなんで。周りの人の数を見ればわかるんじゃないですか」と松山は苦笑した。そうなった時には、オーガスタのパトロンの大多数が自分に加勢しないことを分かっている。
ただ、その“やりにくさ”を問われると「いや、別にそれはどうかな……。その時の状況次第じゃないですかね」と即座に言った。ここにたどり着くまでに、完全アウエーの空気も何度も味わってきた。畏敬や憧れ、それと勝負事は別だ。
生ける伝説はいよいよトップフォームに戻りつつある。だが松山は彼らとの共演に心を躍らせることはあっても、臆することは一切ない。
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