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皆川夏穂と新体操42年ぶりの快挙。
「美しさ、優雅さ」の先にメダルが。 

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

PROFILE

photograph bySatoko Imazu

posted2018/03/12 16:30

皆川夏穂と新体操42年ぶりの快挙。「美しさ、優雅さ」の先にメダルが。<Number Web> photograph by Satoko Imazu

厳しいトレーニングに打ち込むとともに、美しさを磨く皆川夏穂。その笑顔で、世界と戦う。

最強ロシア勢に対抗するためには?

 メダル獲得となれば、ロシア勢を筆頭とする、世界のトップに対抗していかなければならない。

「海外の審判にも手の動きや美しさは、(世界のトップと)ほとんど変わらないと言っていただけているんです。あとはどれだけ試合で高難度の技を決められるか。それが彼女たちに追いつくポイントになるのかな。せっかくメダルを目指すのなら、ロシアの選手を超えたいという気持ちもありますが、まだまだ差は大きいですね」

 憧れは'08年北京五輪、'12年ロンドン五輪の金メダリスト、エフゲニア・カナエワ(ロシア)やマムンのような演技だ。

「彼女たちは、難しい技を難しそうにやらない。しかも、曲の雰囲気を感じ取りながら随時動いているのでつい見とれてしまいます。それに見ていて伝わってくるものがあるというか感動する。自分もそういう演技ができたらなって思いますね」

美しさを持って、優雅さを表現したい。

 運動能力のみならず、演技の美しさを競い合う新体操は、女性特有の華麗さや柔軟性を兼ね備えたスポーツであり、観客を魅了する美の追求も戦いの一つだ。

 身長170cmで長い手足を生かした表現力、「エレガントさで言えば世界一」と、動きの美しさはかねてから評価されている皆川だが、巧みで美しい手具操作や動きのなめらかさといった長所は、今後さらに磨きをかけていきたいと考えている。

「体が縮こまったり、ガチガチしている演技は自分らしくない。曲を感じてダイナミックに演技し、優雅さを体で表現しながらも難しい技に挑戦するのが自分らしさ。私は、新体操は『美しさ』が前提にあって、その中で難しい技をどれだけ見せられるかだと思っているんです。その『美しさ』で、見ている方々に感動を与えられるような演技がしたいですね」

(Number940号『新体操 皆川夏穂「美しさ、優雅さで、感動を与えたい」』より)

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