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伊藤美誠は平野、石川になぜ勝てた?
過激な戦術変更で日本卓球界が飛躍!
text by
川嶋弘文(Rallys編集部)Hirofumi Kawashima
photograph byItaru Chiba
posted2018/01/23 17:00
まだ24歳の石川がベテランに見えてしまう日本の女子卓球界。世界的に見ても異様ともいえる急成長ぶりである。
石川も平野も、伊藤の激変ぶりに「驚いた」。
全日本で三冠を果たした伊藤美誠も、今大会で大きなスタイルチェンジを見せた。
「(足を止めてテクニックで勝負する)“省エネ卓球”から“動く卓球”に変えた」(伊藤)と本人が語る通り、今大会の伊藤はとにかくよく動いた。
テクニックで相手のミスを誘うプレーが減り、自ら両ハンドスマッシュで得点を奪いに行くシーンが以前より圧倒的に増えたのだ。伊藤に敗れた石川も平野もその攻撃的なプレーへの進化に口を揃えて「驚いた」「(スマッシュを決められて)精神的ダメージがあった」とコメントした。
若いが故の勇気を持ったスタイルチェンジは、対戦相手の過去データを徹底研究し対策練習をやりこんでくる中国に対しても有効だ。
相手にデータを書き換える時間を与えずに、相手の想像を上回るスタイルチェンジが出来れば、勝てるチャンスは増える。もちろんスタイルチェンジには時間もかかり、ミスが増えるリスクもつきまとうため簡単なことではない。
しかし昨年の平野、今年の全日本での伊藤が見せた若いが故の勇気を持ったスタイルチェンジこそが打倒中国のヒントであるように思えてならない。