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伊藤美誠は平野、石川になぜ勝てた?
過激な戦術変更で日本卓球界が飛躍!
text by
川嶋弘文(Rallys編集部)Hirofumi Kawashima
photograph byItaru Chiba
posted2018/01/23 17:00
まだ24歳の石川がベテランに見えてしまう日本の女子卓球界。世界的に見ても異様ともいえる急成長ぶりである。
ダブルスでは決勝の4人全員が2000年生まれ!
女子ダブルスでも、伊藤は早田ひなとのペアで優勝。社会人ペアの優勝が続いていたこの種目で歴史を変えた。
特に決勝では塩見真希・梅村優香(四天王寺高校)ペアと対戦したが、コートに立った4人ともが2000年生まれとあって、若い世代の選手層の厚さが垣間見えた。
高校2年生まで出場資格があるジュニア女子の部でも長崎美柚(2002年生まれ、15歳)が優勝、木原美悠(2004年生まれ、13歳)が3位に入るなど中学生の活躍が目立った。
こうした若手の台頭について、今大会準決勝で伊藤に敗れた日本のエース石川佳純(1993年生まれ、24歳)は「“年齢の割に強い選手”ではなく純粋に“強い選手”が増えている。大きな刺激を貰って私も頑張れている」とコメントし2000年代生まれの若い選手たちの実力が本物であることを認めた。
若さとスタイルチェンジが打倒中国の鍵。
卓球日本チームにとって、長年の目標は打倒中国である。
この中国を倒すためのヒントが昨年中国選手を3連破し、アジアチャンピオンとなった平野美宇にある。
平野はリオ五輪での代表メンバー落選をきっかけに、それまでの安定性重視の卓球から、全てのボールを両ハンド(フォアとバックの両方)のカウンターで狙い撃つ攻撃力重視の卓球へとスタイルチェンジした。
さすがの中国選手もこの平野の進化に対応できず、平野は中国を倒すことが出来るレベルにまでに急成長したのだ。
ベテラン選手になると、長年染み付いた自分のスタイルを崩し、新しいスタイルへと変えるのは精神的にも肉体的にも難しいが、若い平野はリスクを取りながらも見事にスタイルチェンジを果たし、その結果、研究熱心な中国が想定できないほどの進化を遂げ、打倒中国を成し遂げるに至ったわけだ。