フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦の不在を痛感したNHK杯。
日本勢が17年ぶりにメダルを逃す。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byNaoki Nishimura/AFLO SPORT
posted2017/11/14 11:00
怪我というアクシデントは防ぎようがない。平昌五輪へ向けて、羽生自身との新たな戦いが始まる。
宮原知子の復帰戦は5位に終わったが……。
今年2月に股関節疲労骨折と診断されて世界選手権も欠場した宮原知子にとって、この試合は復帰戦となった。
治療は思ったよりも長引いて、濱田美栄コーチによると、ジャンプの練習を再開してからまだ1カ月たっていないという。そんな中でも転倒などの大きなミスはなく、総合191.80で5位。怪我さえ完治しているのなら、これから急ピッチで調子を上げていくことは可能だろう。
本郷理華が総合7位、シニアGPデビューだった白岩優奈が8位だった。
17年ぶりにメダルを逃した日本フィギュア勢。
2001年に本田武史が優勝、恩田美栄が2位になって以来、このNHK杯ではずっと日本の選手が表彰台に上がり続けてきていた。
だが本大会は、17年ぶりに男女ともに表彰台を逃すという残念な大会になってしまった。
日本の関係者もファンも、みんなが「羽生がいてくれるから大丈夫」と思っていたはずである。
現在のトップ男子に求められるレベルの過酷さと、羽生結弦というスターの存在の大きさを、改めて実感させる大会となった。