ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
米ツアーの「選手層」って何なのか。
石川遼を苦しめるシード継続の確率。
posted2017/09/08 08:00
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
AFLO
昨秋に開幕したアメリカPGAツアーは8月下旬に2016-17年レギュラーシーズンを終え、ポストシーズンの真っただ中。
年間王者を決めるプレーオフシリーズと、来季の出場権を争う入れ替え戦(ウェブドットコムツアーファイナルズ)、いずれも全4戦が進行中だ。
世界中の男子ゴルファーが戦うことを夢見る米ツアーは、その戦いぶりにおいて最高峰とされる。世界ランキング上位者が集い、コースは最高難度にセッティングされ、1億円以上の高額優勝賞金がかかる大会ばかりがそろう。
それに伴うチャリティの額やギャラリーの数、選手・関係者へのホスピタリティ……と言った具合に、(とりあえず)イイトコロがたくさん挙がる。
その分選手たちは厳しい戦いを強いられるわけで、勝者は称賛され、敗者は静かにその場を去っていく。
ここで戦ったプレーヤーはみな「PGAツアーは層が厚い」と自らの足跡に胸を張り、一方で肩を落とす。ただ、その選手層の厚さとは何なのか。今回は彼らが出場するフィールドにまつわる数字を日本ツアーと比較して紐解いてみた。
米ツアーで3年シードを守れる選手は約50%。
米ツアーではレギュラーシーズンを終え、ポイントランキングで上位125人が翌シーズンのフルシードを獲得する(優勝による複数年シードや公傷制度による出場権持ち越し、ノンメンバーの実績は含まない)。126位以下に終わった選手たちは、入れ替え戦などでこれよりも優先順位が低い、限定的な出場資格を奪い合う。
1シーズンで1ドルでも賞金を獲得する選手は毎年およそ400人以上いるが、その中で翌シーズンのシードを確保できるかできないかは、各選手にとって“良質な職場の確保”だけでなく、それぞれのスポンサー契約においても重要な指標になる。
さて、2016-17年のレギュラーシーズンを終えた米ツアーだが、今季までの2季連続で上位125人に食い込んだのは86人で、ポイントランクによるシード選手全体の68.8%。これが遡って3季連続となると64人で51.2%だった。