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セナ対ピケ、ホンダのバトン優勝……。
退屈に見えて名コースのハンガリーGP。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAFLO
posted2017/07/28 17:00
1986年、初開催のハンガリーGPでは真っ向勝負でセナ(左)を抜き去ったピケ(右)が凱歌を上げた。
アロンソとハミルトンの決裂が決定的になった事件も。
オーバーテイクの難しさは、こんな事件を生むことにもなった。
2007年のマクラーレン・メルセデスのフェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンのチームメート同士による内紛だ。
ポールポジションを争う2台は、Q3のアタックの順番を巡って骨肉の争いを演じてしまう。最終的にレース審議委員会はアロンソがハミルトンのアタックを妨害したと判断し、5番手降格のペナルティを下した。この内紛によって、2人のドライバーの不仲は決定的なものとなり、その年のタイトルを逃す大きな要因となった。
ハンガロリンクは、鈴鹿やスパ-フランコルシャンのように、チャレンジングな高速コーナーもオーバーテイクポイントもなく、ややもすると退屈なサーキットと思われがちだ。しかし、実際にはドライバーのテクニックとオーバーテイク能力が問われ、時に本能剥き出しの戦いも見られるエキサイティングなサーキットでもある。
マシンが持つ性能を超えたドライバーの真の戦いを、今年も見たい。