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韓国代表の座は「毒を盛った杯」。
恒例化した監督交代は何が原因か。

posted2017/07/10 17:00

 
韓国代表の座は「毒を盛った杯」。恒例化した監督交代は何が原因か。<Number Web> photograph by AFLO

まさに針のむしろの状態だったシュティーリケ前監督。韓国代表を率いて英雄視されたのはヒディンク元監督くらいかもしれない。

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吉崎エイジーニョ

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki

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 大韓サッカー協会は4日、男子サッカーフル代表監督としてシン・テヨン氏の就任を発表した。 前任のウリ・シュティーリケ監督の不振の原因を「チーム内のコミュニケーション」とした技術委員会はリオ五輪代表、先のU-20ワールドカップ代表を率いた国内監督にワールドカップまでの指揮を任せることにしたのだ。

 これを「対岸の火事」で片づけるのは惜しいことだと思う。今回の交代劇により、韓国は'02年ワールドカップ以降、すべての準備期間で監督が替わることとなった。うち、多くは成績不振による途中解任だ。これは日本も、いつか通るはずの道なのだ。

日韓W杯以降、監督交代を繰り返してきた歴史が。

 韓国サッカー界の「近代監督交代史」から何を見出すべきなのか。まずはその略歴を振り返ってみる。

<'02~'06年>
'03年1月~'04年4月 ウンベルト・コエリョ(ポルトガル)8勝3分7敗 解任/成績不振
'04年6月~'05年8月   ヨハネス・ボンフレーレ(オランダ)11勝8分6敗 解任/成績不振
'05年9月~'06年6月 ディック・アドフォカート(オランダ)10勝5分5敗 ワールドカップ終了により任期満了

<'06年~'10年>
'06年6月~'07年7月 ピム・ファーベック(オランダ)6勝6分5敗 辞任/“大韓サッカー協会の非協力的な姿勢”
'07年12月~'10年7月 ホ・ジョンム 21勝15分7敗 ワールドカップ終了により任期満了

<'10年~'14年>
'10年7月~'11年12月 チョ・グァンレ 12勝6分3敗 解任/成績不振
'11年12月~'13年6月 チェ・グァンヒ 6勝2分4敗 ワールドカップ最終予選終了により任期満了
'13年6月~'14年7月 ホン・ミョンボ 5勝4分6敗 辞任/ワールドカップ前後の報道に立腹(したとされる)

<'14年~'18年>
'14年9月~'17年6月 ウリ・シュティーリケ(ドイツ) 27勝5分7敗 解任/成績不振

 なぜ韓国はこれだけ代表監督交代を繰り返しているのか。傾向を分析した。

【次ページ】 希望と沿わない外国人監督を迎え、結局は解任。

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