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ローテ以上、エース未満のジレンマ。
菊池雄星に必要な「勝負所の100%」。
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![氏原英明](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/-/img_88a633ea7a265401d3fec081755fac346439.jpg)
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byKyodo News
posted2017/04/20 07:00
![ローテ以上、エース未満のジレンマ。菊池雄星に必要な「勝負所の100%」。<Number Web> photograph by Kyodo News](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/700/img_7860225668726a93949ce5586e10f3e890485.jpg)
開幕戦では快投を見せた菊池。持っている実力は球界屈指なだけに、要所を締めるスタイルも身につける必要がある。
本人も「勝負所の場面を100%で抑えられていない」。
菊池自身もロッテ戦について、炭谷と同じ課題を口にしている。
「1点目が反省点です。井上さんに抜けたスライダーを打たれましたが、その前のスライダーが抜けていてファールにされました。だからこそカウントを悪くしてもいいので、ひざ元にスライダーを投げられたら(1点目は)防げたのかなと思います。結果云々だけでなく、そこを本当に意識できていたかは、課題だと思います。勝負所となる場面は1試合に1、2回あります。そこを100%抑えることがまだできていないですね」
その場しのぎで投げていては、エースは務まらない。だが、今季投げたのはまだ3試合だけでもある。「試合を作れている」という手ごたえを持ちつつも、エースとしての矜持を手にすることは、菊池本人がこれから立ち向かっていくべき壁だ。実際、炭谷が「岸さんもそうだった」という言葉を残している。
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菊池の登板翌日には、元西武のエースでロッテの涌井が、古巣を相手に「これぞエース」とも呼ぶべき快投を見せて勝利を挙げた。
涌井、岸が歩んできたように――。進むべき階段が菊池にはくっきりと見えているはずだ。エースへの階段を一歩、また一歩と昇り続けていく。
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