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明神の隣で学び、石崎に鍛えられ。
大谷秀和が刻んだ柏での300試合。

posted2017/04/15 07:00

 
明神の隣で学び、石崎に鍛えられ。大谷秀和が刻んだ柏での300試合。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

柏のバンディエラ、という言葉がしっくりくる大谷秀和。Jリーグで10年連続チームキャプテンというのは異例の存在だ。

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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 キックオフの数分前、オーロラビジョンに映し出されたのは、ひとりの選手のプロ入りからこれまでの足跡だった。

 今から14年前の柏レイソルの新体制発表会見、やや茶色がかった髪にパーマをあてた、いかにもやんちゃそうな18歳の青年がマイクを握っている。

 その直後、高卒ルーキーながらスタメンを飾った'03年の開幕戦でのプレーシーンの上に「1」の文字が浮かび上がり、写真が切り替わるたびに「50」「100」「150」と数字が増えていく。「299」とともに映し出されたのは前節、サンフレッチェ広島戦でゴールを決めて、チームメイトと喜び合う姿だった。

「300」でいったん止まったカウントは、それから「400」「500」と一気に増えて、最後にはこんなメッセージが現れた。

「大谷、俺等と共に。」

柏ひと筋15年目の特別なサッカー人生。

 4月8日の清水エスパルス戦で柏のキャプテン、プロ15年目の大谷秀和がJ1通算300試合目となるピッチに立った。柏のアカデミー出身で、柏ひと筋の選手がこの記録を達成したのは初めてのことだから、大谷自身の勲章であると同時に、クラブにとっても大きな価値を持つ。

 '06年と'10年をJ2で過ごしていなければ、今頃は350試合を優に超え、400試合に向けてひた走っていたに違いない。だが、至福の時も、困難な時期も、この愛するクラブで過ごした経験が、大谷のプロサッカー人生を特別なものにしている。

「いろんな監督と一緒にやらせてもらって、こうすればチームは引き締まるのかとか、こういう状況になるとなかなか勝てないんだなとか、上も下も見せてもらったのは大きかったと思います」

 そう振り返った大谷は「まあ、今の選手たちには、優勝争いだけを経験させてあげたいですけどね」と苦笑した。

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