沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
高松宮記念とドバイWCデーの3GI。
スプリント王決定戦はサブじゃない!
posted2017/03/25 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
上半期のスプリント王者を決める第47回高松宮記念(3月26日、中京芝1200m、4歳以上GI)。
昨年の最優秀短距離馬ミッキーアイルが引退し、昨年の覇者ビッグアーサー、前哨戦のシルクロードステークスを連覇したダンスディレクターの名前がないのは寂しいが、それでも、フルゲート18頭のスピード自慢による、激しい戦いが見られそうだ。
まず考えたいのは、昨秋のスプリンターズステークスを勝ったレッドファルクス(牡6歳、父スウェプトオーヴァーボード、美浦・尾関知人厩舎)の取捨をどうするか、だ。芝でもダートでも勝ち鞍のある二刀流として話題となり、その適応力の高さで期待された前走の香港スプリントでは12着に大敗した。
敗因は、スプリンターズステークスを激走した疲れのように見受けられるが、ブービーという極端な負け方からして、嫌気がさして競馬をやめただけかもしれない。そうしたメンタル面のケアに必要なのは、一にも二にも休養である。
陣営はあえてぶっつけでここ一本というローテーションを選択。中京芝1200mは2戦2勝と抜群の相性で、そんなところも、馬の気分をよくする方向に作用しそうだ。
賞金が足りずに出走できなかった昨年と一昨年のぶんも、今年は爆発するか。
メラグラーナがあっさり、ということも。
ここに来ての充実ぶりという点では、連勝中のメラグラーナ(牝5歳、父ファストネットロック、栗東・池添学厩舎)が一番だろう。南半球産の遅生まれなので、今が4歳秋のようなものだ。主戦の戸崎圭太がコメントしているように、かつての好位差しから、中団より後ろで溜める競馬にしてから素質が開花し、本格化した。
3走前の京阪杯で14着に大敗したのは、体がやや太めだったうえに苦手な道悪と、敗因がはっきりしている。GI初参戦ながら、あっさりのシーンも十分あり得る。
完全に復調した桜花賞馬レッツゴードンキ(牝5歳、父キングカメハメハ、栗東・梅田智之厩舎)も上位に来そうだ。1200mで勝ち鞍はないが、折り合い面に難しいところがあるので、競馬はしやすくなる。