フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
フィギュア四大陸選手権の裏舞台。
カナダ選手がドッグファームから犬救出!
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byGetty Images
posted2017/03/27 11:30
四大陸選手権における、デュハメルとエリック・ラドフォードのカナダ代表ペア。優勝こそ逃したが、その華麗な演技に会場は大いに沸いた。
多くの関係者の共感を呼んだ保護活動。
来年の2月に平昌五輪のフィギュアスケート競技が行われる江陵郊外にも、多くのドッグファームが点在しているという。
「サッカーのワールドカップや、来季の平昌五輪など、世界中が韓国を注目しているのを良い機会として、できるだけ多くの犬たちが救出されると良いなと願っています」とデュハメル。
四大陸選手権開催中にこの話をすると、多くのジャッジや選手たちが反応を示し、事前に知っていたなら何か協力したのに、と申し出てくれたのだという。
犬を食用にする伝統が悪習であると決めつけるのは、西洋人のエゴだと言ってしまえばそれまでだ。だがペットと暮らしたことのある人間なら、食用犬を哀れに思う気持ちが湧くのは、ごく自然なことではないだろうか。
デュハメルはソウルからこの“ムータ”と、プードルの“サラ”を連れてカナダに帰国。すでに引き取り手の決まっていたサラは、トロント空港に新しい家族が迎えにきていたという。
ムータはその後、元からいたビーグルとすぐ仲良しになり、デュハメルと夫でコーチのブルーノ・マルコット氏に可愛がられ、平和な日々を送っているそうだ。ちなみに気になる留守中の世話は、長年信頼しているプロのドッグウォーカーが通いで来てくれるのだという。「誰にでもついていく犬になってはこまるけれど、うちの犬たちはきちんと彼女のことを見分けています」と、愛犬家らしく説明してくれた。
デュハメルの次の遠征は、タイトル保持者として挑むヘルシンキ世界選手権である。