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マンUが久々に優勝戦線へ参戦か?
イブラは流石、あとはポグバだけ。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2017/01/21 11:00

マンUが久々に優勝戦線へ参戦か?イブラは流石、あとはポグバだけ。<Number Web> photograph by Getty Images

移籍金にも反映されている「期待度」を思えば、今のポグバはやはり物足りない。

得意の3センター左に固定されたポグバだが……。

 その中で、ポグバもピッチ上での存在感と影響力を増してはいた。チームに見られる最大の違いは、ポグバの役割が定まったことだと言っても良い。自ら「一番好きなポジション」と言う3センター左サイドから、守備面では中盤のサポート役2名に支えられつつ、積極的かつ自由に攻め上がってチャンスに絡む仕事を最重要タスクとして受け持つようになった。

 21節終了時点での計6ゴールは、シーズン二桁得点ペース。昨年11月にキャリックとエレーラとのトリオが定番になってからは、アシストも記録し始めた。ボールを送るホットラインの相手はイブラヒモビッチ。前半戦でこなした4アシストの全てが、ピッチ外でも息の合う先輩格へのお膳立てだ。

 しかしながら、そのイブラヒモビッチがリバプール戦での同点ゴールでリーグ戦での得点を14に伸ばし、得点王争いでトップに並びながらマンUを牽引しているのに対し、ポグバはここ一番で威力を示せないケースが続いている。

ランパードと比較したら可愛そう?

 思えばアーセナル戦でもトッテナム戦でも、ポグバの出来はマンUイレブンの平均点でもあった10点満点中「7」どまり。先のリバプール戦でも『テレグラフ』紙の採点は「4」。『デイリー・メール』紙では、チャンスにシュートを外した試合前に、新ヘアスタイルが反映された自身の絵文字登場が話題を集めたこともあり、ネットを揺らした回数が「髪型を変えた回数と同じ6回」と指摘され、ゴール不足とイメージ先行を強調された。

 リバプール戦を前に、フランク・ランパードとの比較が注目されていたこともポグバにとっては不利だったかもしれない。モウリーニョは試合前の会見で、新任地で選手の特異な能力を見極めるまでに時間を要した例として、2004年にチェルシーで監督就任した際のランパードを挙げた。

 曰く「2、3カ月してから」傑出した才能を最大限に生かす仕事を任された当時20代のMFが、プレミア史に名を残す中盤の得点源に化けた事実は誰もが知るところ。ウェストハムからチェルシーに移籍した当初のランパードは、1100万ポンド(15億円強)の移籍金がファンの間でも「高い」と見られていたが、モウリーニョ体制下で最初の3シーズンに計60得点をあげて“チェルシー・レジェンド”への軌道に乗った。

【次ページ】 本人は数字を求められることに否定的。

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