濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
無敗の女王・KANAが負けた……。
それでもKrushが目指す本物の価値。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byTakao Masaki
posted2017/01/21 08:00
KANA(左)と同い年のヘウヘス(右)は24歳のオランダ人。体格もほとんど同じで、これからも良きライバルとして活躍しそうである。
負けたからこそできることが、KANAにはある。
「今日の試合で女子の、50kgの試合でも面白いんだってことがみんなに伝わったら嬉しい」
試合後のメロニーの言葉は、きっとKANAが言いたくて仕方がなかったものだっただろう。それは、KANAと同じ志を持つ女子選手がオランダにもいた、ということでもある。
初黒星を喫したKANAは最短距離でのスターへの道をいったん遮られたが、だからこそできることもある。
長期の海外修行、あるいは海外での試合。
いずれも日本で勝ち続けていたら実現が難しかったものだ。メロニーとのリマッチを敵地オランダで行なってもいいかもしれない。
無敗の女王・KANAは負けた。
しかしかけがえのないライバルを得た。
Krush女子戦線は今後さらに激しく、ハイレベルなものになっていく。