RALLYスペシャルBACK NUMBER
復帰1年目、トヨタの表彰台はいつ?
混沌のWRC2017シーズンを占う。
text by
古賀敬介Keisuke Koga
photograph byKeisuke Koga
posted2017/01/10 15:00
最高出力380馬力以上、最大トルク425Nm以上を誇るヤリス(日本名ヴィッツ)WRCの開発が、開幕戦ラリー・モンテカルロ直前まで急ピッチで進む。
短期間で戦闘力を上げてきたトヨタに期待。
オジエと同じく元フォルクスワーゲンのヤリ-マティ・ラトバラは、新天地TOYOTA GAZOO Racingで復活を誓う。
過去にWRCで16勝し、3度シリーズ2位となったラトバラは、去年、苦しいシーズンを送ったが、トヨタのエースに抜擢されたことで心機一転。今年は彼本来の速さと切れ味を取り戻し、勝ち星を増やすことが期待される。
ラトバラは去年12月にトヨタ入りすると、すぐにマシンの開発テストに参加。精力的にテストを続け、ごく短時間でヤリス(日本名ヴィッツ)WRCのパフォーマンスを底上げした。
トヨタは実質的には新チームとなるため、ライバルと比べると経験値には大きな差がある。初戦からいきなりライバルと同等に渡り合うことは難しいかもしれないが、シーズンが中盤に差しかかる頃には表彰台争いに加わることができるかもしれない。
ラトバラのチームメイトであるユホ・ハンニネンもWRCでの経験は豊富。グラベル(未舗装路)のラリーでは上位争いに加わる力を持った選手である。チーム全体としてのパッケージは決して悪くない。過去にWRCで4年連続世界王者となった闘将トミ・マキネンの、チーム代表としてのさい配に注目したい。
名門シトロエン、復帰したヒュンダイも面白い!
シトロエンは、かつてセバスチャン・ローブの9年連続タイトル獲得を支えた名門チームだ。
去年1年間はワークスチームとしての活動を休止し、ニューマシンの開発に注力した。もともと、非常に堅実なマシン開発を行うチームだけに、新作のC3WRCも隙のない仕上がりに違いない。
また、WRC復帰4年目のヒュンダイは、年々パフォーマンスを高めてきている。選手層も充実しており総合力はかなり高い。
両チームとも、タイトルを争う力は備えている。