RALLYスペシャルBACK NUMBER
復帰1年目、トヨタの表彰台はいつ?
混沌のWRC2017シーズンを占う。
posted2017/01/10 15:00
text by
古賀敬介Keisuke Koga
photograph by
Keisuke Koga
2017年のWRC(世界ラリー選手権)がいよいよ1月19日に開幕する。
第1戦は100年以上の歴史を誇るラリー・モンテカルロ。モナコ公国を基点とするこのラリーは、開幕戦にふさわしく絢爛な雰囲気を備えているが、今年は例年以上に華やかな1戦になりそうだ。なぜなら、WRCのトップマシンである「WRカー」の車両規則が今年から大幅に変わり、従来よりも速く、そして派手な外観に生まれ変わって初お目見えするからだ。それだけではない。トヨタが18年ぶりにWRCにワークスチームとして出場する、その復帰第1戦でもあるのだ。
フォルクスワーゲン撤退で、レースは群雄割拠に。
2017年のWRCにはトヨタ、シトロエン、ヒュンダイ、Mスポーツ(フォード)という4チームが、マニュファクチャラーとして参戦する。
4年連続でマニュファクチャラー王者となったフォルクスワーゲンが昨シーズンをもって撤退したのは残念だが、そのマイナス分以上にポジティブな要素が多い。
各チームともほぼゼロの状態から新WRカーの開発を行ったことで、マシンのパワーバランスはリセットされることに加え、フォルクスワーゲンのドライバーが他チームに加入した結果、各チームのパフォーマンスに変化が生じた。その結果、例年以上に結果を予想することが難しい、それだけ面白いシーズンとなることが予想されるのだ。
フォルクスワーゲンと共に4年連続でワールドタイトルを獲得したセバスチャン・オジエは、今年フォードのWRC活動を担うMスポーツに移籍。現代最高のドライバーであるオジエの加入により、Mスポーツは一気に活気づいた。
ただし、Mスポーツが活動を担っていたフォードが、最後にWRCで優勝したのは2012年の第10戦ラリー・グレートブリテン。実績はあるが、しばらく優勝から遠ざかっているチームだけに、オジエの加入で果たしてどれぐらい総合力が高まるのか、読みにくい部分もある。