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「それじゃ三浦大輔はアカンやろ」
ハマの番長が語る引き際の美学。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNaoya Sanuki
posted2016/11/08 16:30
新記録達成はならなかったものの、昨季までの23年連続勝利はプロ野球タイ記録。尚、投手としての24年連続安打がギネス記録として認定された。
矢沢永吉にも似た、その己を語るたたずまい。
1992年に横浜大洋に入団し、横浜、DeNAと、球団の歴史とともに歩んできた球界現役最年長のレジェンドである。自身の持つ影響力を自覚して客観的に己を語る様は、三浦が敬愛する矢沢永吉にも通ずるところがあるように聞こえた。
ちなみに9月に通算4000勝を挙げた騎手の武豊も、Number913号のインタビューで自身の引き際についてこう語っている。
「ベイスターズの三浦大輔選手が引退を決めた理由を『勝てなくなったから』とおっしゃってましたが、まさにそう。本来スポーツ選手ってそういうもので、勝っているのに辞める人はいないでしょう。自分も勝てなくなったら辞めると思います」
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そして三浦は9月29日のレギュラーシーズン最終戦で、本拠地のファンに見守られながら引退登板を果たす。
試合後には大型ビジョンにムービーが流され、敵味方問わず多くの人の手によって壮大な花道が作られた。
しかし、その日から遡ること約2週間。三浦は人知れず、もうひとつの引退登板に挑んでいた。それは「勝てなくなった」はずの三浦が、最後の真剣勝負の場として本気で勝ちに行った試合だった。
日本シリーズを特集したNumber 914・915号「男たちの日本シリーズ」では、今季限りで引退した三浦大輔投手のインタビュー記事「ハマの番長は2度引退した」を掲載しています。ライターの日比野恭三さんが、三浦投手本人はもちろんのこと、「永遠番長」のキャッチコピーでプロモーションに奔走した球団スタッフの方々にも取材した、引退にまつわる一大ドキュメントとなっています。続きは是非、本誌をお読みください。