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原口元気「デブライネだったら……」
比較対象はいつだって“上”の相手。
posted2016/10/13 07:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Takuya Sugiyama
ゴールを決める。結果にこだわる。原口元気はそう言い続けてきた。それでもやはり、最も大切なのはチームが勝つことだ。
オーストラリアとのアウェーゲームを終えたあと、手ごたえも課題も口にしたが、最も悔しそうに話したのは後半40分のシーンを振り返るときだった。
「悔やまれるのは(浅野)拓磨に出したボールだよね。DFとキーパーの『間』でしょう? (ボールは)もっと弱くてよかった。ああいうところでのクオリティが自分はまだ、もうひとつ足りない。デブライネだったらああいう場面で100%、ピンポイントで合わせているはずだから」
後半40分、1-1の状況で原口は左サイドをえぐってクロスを送ったが、浅野の伸ばした足はわずかにボールに届かなかった。そのシーンを振り返るときに原口が比較対象に選んだのは、ブンデスリーガ史上最高額となる7400万ユーロの移籍金で、昨シーズンにヴォルフスブルクからマンチェスター・シティへと移籍した天才MFのプレー。もっとも、彼とは同い年で、誕生日も約1カ月半しか違わない。
活躍してもなお、改善できるところを探る。それが原口の成長を支えている。
自分のパスカットから反転して、自ら決める。
オーストラリア戦に左FWとして3試合連続先発を果たした原口は、3試合連続のゴールを決めた。その全てが貴重な先制ゴールである。
そして、10月のイラク戦でも今回のオーストラリア戦でも、原口のゴールはいずれも彼自身のパスカットから生まれている。
激しい守備から、スピードに乗った攻撃へ。
3年目を迎えるヘルタ・ベルリンで常に意識してきたプレーが、ここにきて代表の舞台でも実を結び始めている。
オーストラリア戦のゴールは、パスをカットして長谷部誠へ渡したボールが本田圭佑に入ったあと、本田と事前に相談していた通り「ワンテンポ遅らせて出て行く」タイミングで飛び出し、決めたものだ。