“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
最上級生からプロ1年目となる難しさ。
10年ぶりW杯へU-19世代の試行錯誤。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byYuki Matsuo
posted2016/10/08 11:00
U-19日本代表は5日に臨んだ磐田との練習試合で4-0と快勝。この勢いを中東の地へと持ち込む。
今回のU-19世代はJ1でスタメンを張った選手もいる。
「45分だけの選手が10人いたら、3人の交代枠では絶対にやられてしまうので、90分やれる選手を選んだ」(内山監督)
今回のメンバーは柏レイソルでレギュラーを張るCB中山雄太、アビスパ福岡で定位置を掴んだCB冨安健洋、湘南ベルマーレで存在感を放つMF神谷優太、前々回のU-17W杯を経験し、川崎フロンターレで頭角を現して来たMF三好康児、J1でスタメン入りするなど着実に経験を積んでいる遠藤渓太(横浜F・マリノス)といったJ1でスタメンを張れる選手を選出。さらに今年からスタートしたJクラブのU-23チームのJ3参戦により、実戦経験を積めているG大阪のDF初瀬亮、MF堂安律、市丸瑞希。C大阪のFW岸本武流を選出した。
そして、前回の井手口、奥川のように、所属チームの中心として活躍するGK廣末陸(青森山田高、FC東京入団内定)、DF舩木翔(C大阪U-18)、MF原輝綺(市立船橋高、アルビレックス新潟入団内定)、FW岩崎悠人(京都橘高、京都サンガ入団内定)の高3の選手に加え、GK若原智哉(京都U-18)、FW中村駿太(柏U-18)の高2の選手も選出した。
異例の国内合宿で得点源の小川らの実戦感覚を磨いた。
さらに内山監督は9月25日から26日の1泊2日の異例の国内合宿を敢行し、日体大と90分ゲームを行った。
「日体大戦で90分を久しぶりにやった選手が何人かいて、試合をこなして行くことによって少しでも向こう(バーレーン)に入るまでの不安を取り除いた。思った以上にコンディションが上がらない選手がいたので、それを何とか上げながらやっていきたい」と語ったように、FW小川航基(ジュビロ磐田)、DF町田浩樹(鹿島アントラーズ)など、ベンチ入りは出来ているが、実戦に多く出られていない選手に、90分ゲームを経験させて本番に臨ませる狙いがあった。
過去の反省を深め、真っ向から“U-19問題”に向き合い、内山監督は10年ぶりの世界に向けて準備を着々と進める。
「これからUAEで暑熱対策や時差対策をしっかりとやりたい」